前にも書いたように、修行先は大手のチェーン店や百貨店に入っているような、大型ブランド店は「最短で開業」を目指すなら、避けたほうがよいでしょう。その理由は、大きいパン店は就業条件も良いが、その分パン製造が分業化されており、パン製造の全体の流れが習得しにくいからです。
これは、特に気をつけなければいけないことですが、
パン作りが分業化された厨房では、パン作りの全体像を何年やっても習得できません。頭ではパン作りの工程を理解できるのですが、パン屋開業を目指すとき、ひとつひとつの技術や知識だけでなく、
●パンを製造しながら、お店全体を同時に動かしていく力が、最も大切な「技術」なのです。
多くの大手パン屋さんでは、仕事のスケールが大きいため、仕事がどうしても分業化されてしまい、必然的にこの大切な技術を学ぶことができなくなってしまうのです。
例えば、大手のパン屋さんで3年働きましたが、焼き場(オーブン前)にずっといました。とか、仕込みばかり3年やっていました。などという小さいパン屋では考えられないような悲惨な結果になってしまうことがあります。(時々小さなパン屋でもありますが・・・)
独立開業を目指して入社した人にとって、この3年はいったいなんだったのだろうと、落胆しなければならない無残な結果になってしまいます。転職組にとっては、こういう時間の無駄遣いは絶対に避けなければなりません。
また、幸運にも3年間ですべての工程を学べたとしても、そこに独立開業に向けたプログラムがあるわけではなく、(大手はあなたに社員として末永く働いてもらいたいわけですから)部分の仕事を、部分で学んでいるだけで、総合的なつながりをもったパン作りの技術力からは程遠い実践力のない職人になってしまいます。(パン学校の先生やパン教室の先生にはなれるかもしれません)
10年大手で修行した人が独立をして3年後に閉店せざる得なくなるのは、パン店経営のための、実践的総合力がまったくついていなかったという理由がほとんどです。
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